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典礼における音楽
―その位置付けと役割―B

名古屋教区典礼委員長  Brendan Kelleher svd.

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ローマ・ミサ典礼書の総則では典礼における音楽についての記述は一か所にまとめられていません。まずはその部分を列挙します。

39-41では、歌の重要性を指摘しています。40を受けて先に紹介したMusica Sacramは作成されましたた。残念ながら聖職者の間でも十分知られていません。41が典礼憲章116-117を反映しています。

聖歌隊の役割を認めながら次の記述をわすれてはなりません。下記の全文について音楽担当者はとくに気をつけなければならないでしょう。

103  信者の中にあって、聖歌隊あるいは合唱団は自己の典礼的な役割を果たす。その務めは、歌の種類に従って、自分の担当する部分を正しく歌うことと、歌による信者の行動的参加を促進することである。 聖歌隊について述べられることは、守るべきことを守ったうえでほかの演奏者、特にオルガン絵奏者についてもあてはまる。

104は先唱者また合唱指揮者の役割の重要性(会衆を先導)などを指摘しています。後記の312を参照してください。 115はミサにおける歌と音楽の大切さ、特に日曜日と祭日において記述されています。312は、全文を引用します。

312  聖歌隊は、その本来の性格、すなわち、それが信者会衆の一部分であり、特別の役割を果たすものであることをはっきり示すとともに、その務めを容易に果たすことができるように、それぞれの教会堂の配置を配慮してその位置は、聖歌隊の各自にとって、ミサへの完全な秘跡的参加が適宜にできる場所でなけれなならない。

※米国とイギリスの司教団は聖歌隊と指揮者の位置について、オルガンは2階に設置されても、やむを得ない事情はない限り、1階の会衆と一緒にいるのは最適という考えを示しています。

313ではオルガン及び合法的に認められた楽器の使用などの注意を促しており、四旬節と待降節に置いてその季節の特徴に合うよう様な伴奏法についての注意も明記されています。
参照:35-37, 45,114


ローマ・ミサ典礼書の総則(暫定版)←クリック
新しい「ローマ・ミサ典礼書の総則」に基づく変更箇所←クリック

次に、ミサの司式次第と照り合わせながら紹介しいきます。

ミサの司式次第のことばは二つの種類に分けられます。通常、すべてのミサに共通する分を “Ordinary” と呼びます、そして各ミサの固有分を”Proper”と呼びます。Musicam Sacramを参考にしながら、先にOrdinary を見ていきます(数字は総則の該当番号)。

a)  Ordinary

1)  Kyrie-「あわれみの賛歌」は第2群に入りますが、例えば四旬節中週日でもacappela で歌ってもかまいません。グレゴリオ聖歌として歌いやすい曲です。52、125

2)  Gloria-「栄光の賛歌」、 四旬節の主日以外にGloriaは日曜日と降誕祭とご復活最後の八日間、平日にも唱えることと指示しています。53、126

3)  Credo-「信仰宣言」、特にニケア・コンスタンチノプル信条のグレゴリオ聖歌は大祭日に適しています。67-68、137

4)  Sanctus- 感謝の賛歌は第1群に入っています。代わりの歌を歌うことは以前ありましたが、新総則によってその選択はなくなりました。79(b)

5)  Eucharistic Prayer/Eucharistic Acclamation-奉献文・記念唱はMusica Sacramに言及されていませんが、日本では少なくても祝日と祭日に歌う習慣が定着していますので、その習慣を守るのを大事にしたいものです。叙唱前句から歌うように、そして最後のAmenはThe Great Amen-偉大なるアーメン全員心を合わせて歌いましょう。高田三郎氏の作品は、総則上使いませんので、そのための曲の作曲は急務となります。79(h)。147(b)、151

6)  Pater Noster-主の祈りは第1群に入っています。歌うならば副文をも歌うべきでしょう。Musica Sacram と総則81の第二段落に注意が必要です。

7)  Angus Dei-平和の賛歌は第2群に入っています。パンを割く式が長引く場合それに合わせて歌い続くのは薦められています。83、155

b)  Proper

  典礼刷新の一角として出版された二冊のグレゴリオ聖歌の本は、“Graduale Romanum”『ローマ聖歌集』と“Graduale Simplex”『簡易ローマ聖歌集』。この本にローマ・ミサ典礼書に載せられた入祭の歌、入祭唱などのための楽譜は入っています。残念ながら入手しにくいだけではなくて、その存在さえよく知られていません。
  米国とイギリスの場合それに基づいて、もしくはその応用編に当たる本あります。米国のベネデイクト会、聖ヨハネ大修道院・大学がその出版会社、The Liturgical Pressを通して数々の典礼音楽関係の本などを出版しています。日本のこれからの典礼聖歌の刷新と発展のために参考になるものが多数あります。

1)  Introitus-入祭の歌、選曲に当たって一般の讃美歌を避け、詩編を優先します。司式司祭が席に着くころに歌い終わるようにします。47-48、121

2)  Psalmus responsorius-答唱詩編、朗読聖書規定版にある例外を除いて、詩編以外の歌を使わないことも大切です。61、102、129

3)  Alleluia/Gospel Acclamation-アレルヤ・詠唱(Acclamatio ante lectionem Evangelii) 62、131-132

4)  Offertorium-いわゆる奉納の歌は奉納行列と供え物の準備の間に続き、始まるのは共同祈願直後です。Lavabo-司式司祭が手を清めるまでを終了の目安とします。選曲に当たってその日の集会祈願、福音か叙唱は参考になります。奉納行列のない場合でも歌うのは薦められています。歌わない場合総則はオルガンの伴奏をすすめます。沈黙・黙想する選択もあります。74、139、142(b

5)  Communio-拝領の歌は司式司祭がご聖体拝領している間に始まります。聖体拝領唱も同じです。選曲については、奉納の歌について前述したこともしくは、拝領唱の句を参考にしてください。86-88、159、 164
ご聖体拝領後の歌を導入する教会があります。総則はその選択にはふれていません。しかしながら、特に拝領後、カリスなどの清めを終えて、全員、すべての典礼奉仕者のための2,3分程度の短い沈黙・黙想期間を薦めたいと思います。

参考  Jubilate Deo, 英国司教団のHPより(楽譜付き)

閉祭の歌はない

  原則として歌いません。バチカンから出された典礼に関する文書にいわゆる「閉祭の歌」についての記述はありません。なぜなら従来、典礼の歴史上閉祭の歌は存在しません。1800年代の半ばころ、ヨーロッパでミサ中、信徒に讃美歌を歌わせる習慣が広まりました。はじめに特にドイツ語圏の国において、プロテスタント系の教会・宗派に倣って四つの讃美歌を歌うことが普及しました。入祭の歌(開祭の歌)、奉納の歌、聖体拝領の歌と閉祭の歌。「閉祭の歌」を歌うのはその名残の一つだと考えられます。イギリスと米国の司教団は歌わないことを薦め、指示しています。

終わりに

  ローマ・ミサ典書第3版がでる以前よりあらゆるところに音符・楽譜も挿入されています。そして「典礼聖歌」第二編と第三篇にミサに関る楽譜が豊富に載せられています。この事実は典礼刷新がもたらされた典礼における音楽の革新的な発想変化を示唆しています。典礼刷新において、あらゆる典礼の間に楽器を使い、歌を歌うことは、曲そのものを演奏するのではなく、歌そのものをを歌唱するのではなく、歌でミサを祝うことを重要としています。典礼は私たちの信仰を告白し、証し、育み、祝う大事な場です。

The Liturgy is where we express our faith, witness our faith, nourish and celebrate our faith.
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